
エストロゲンには、悪玉コレステロールや中性脂肪を減らして善玉コレステロールを増やす働きがあります。その為、女性ホルモンが旺盛に分泌されている時期には動脈硬化や心臓病、高血圧などが自然に予防されているわけです。しかし、更年期を迎えて女性ホルモンが減少する事で、身体に変調をきたす女性が増え、これらの病気にも注意が必要になります。
実は、更年期から後の女性の死亡原因の第1位が虚血心疾患です。そして第2位が脳血管疾患となります。つまり半数近くの人が、血管の老化や動脈硬化に基づく病気で亡くなられているわけです。
逆に45才ごろまでは、女性は男性に比べて発生率が圧倒的に低いのですが、閉経に伴い、心筋梗塞の発生率が急に上昇してきます。これは女性ホルモンが減少するため、高コレステロール血症になり、動脈硬化が増え心筋梗塞になる率が高まるためといわれています。
また、エストロゲンの減少によって記憶力が低下する事もあります。単なる物忘れと思って対処しない人も多いのですが、これも注意が必要です。一般に、エストロゲンは脳神経細胞の増殖や脳の血流を増加させると言われており、その減少によりアルツハイマー病、更にそこから痴呆を引き起こす事もあります。最近ではアルツハイマー病と女性ホルモンの関係が注目され始め、ホルモンバランスを正常に保つことによってアルツハイマー病の発症を抑える事が可能とも言われています。つまり、ホルモン補充療法などの更年期の治療で、アルツハイマーの予防にもなる可能性があるのです。
更年期の症状がさほど出てないと感じる人でも、更年期は体の大きな変化がある時期です。定期的に血液検査などをすると良いでしょう。